金の卵 連続ブログ小説 №49

金の卵 連続ブログ小説 №49

 

料理も食べ終わり帰ることになったので、麗子がレジの前に立ち支払いをしている間に清三は表に出ると、若い二人連れの男が清三の身体に当たって来た。

「気をつけろ、このやろう」と大きな声で清三に因縁をつけて来た。

清三は落ち着いた態度で「すみません」と小声で答えたが、考えてみれば向こうから当たって来て、因縁を付けてきた、とりあえず誤れば事が大きくなる事も無く済むと思ったのだった。

しかし、「このやろう」と清三の胸倉を掴んできた。

「何をする」と胸倉を掴んだ腕を捻り上げると、もう一人が右から突進してきたが、清三は体を交わしながら、足払いで相手を倒した。

「何しているの」と麗子の大きな声が聞こえた。

「この二人に絡まれて困っている」と答えると、麗子はその若者に向かって叫んだ。

「松ちゃん、竹ちゃん、如何したの、その人私の連れなのよ」

若い二人は揃って「姐さん済みません」と頭を下げてたちすくんでいた。

 麗子は二人を誘ってオイル焼きの隣の喫茶店に入った。

座席に着くと麗子は何を飲むかと尋ね、松ちゃん、竹ちゃんお腹空いてない、と尋ねた、すると二人は御馳走様と答えたのでメニューを渡した。

二人はカツサンドとコーヒーを麗子と清三はコーヒーを注文した。

麗子は笑顔で「二人に紹介しておくわ」と清三を紹介した。よろしくお願いします。と

互いに頭を下げたが、直に頭を上げ「もしかして東北」と同時に言葉が出た。

挨拶の中でお国言葉のアクセントは耳が覚えていた。

                    つづく