金の卵 連続ブログ小説 №8  

金の卵 連続ブログ小説 №8

 

入学式は先日行われたので今日から授業である。

佐藤は一年B組とポーチの張り紙を見て指定の教室に入った。

同年代に混じり高齢者の生徒もいた。一見小父さんと思われる人もいた。

担任の先生が来て出席を取り、一人一人宜しくお願いしますと挨拶を交わした。

前に座った生徒は振り向き頭をさげた。

出席を取り終えると先生は「席順を決めるのに三択があるがどうするか」と皆に問うた。

一つ今のまま、二つ抽選、三つ窓際の前からあいうえお順、皆の意見で抽選に決まった。

必修科目の他に選択科目が一科目あり佐藤は音楽を選んだ。

定時制高校は四年間で卒業に必要な単位を取らないと卒業出来ない。

四年間辛抱して勉学に励む生徒もあれば、来なくなる生徒もいた。

普通定時制高校は四年だが、地方によっては昼間三年間で単位を取り就職出来る制度もあったが、卒業証書は一年後渡された。

しかし、佐藤は夜間の為、四年間通学しなければ成らない。

初日から国語の授業が始まったが佐藤は昨夜の寝不足と朝からの仕事で睡魔に襲われた。

ウト、ウトしながらも授業は終わったが何を勉強したが記憶に無かった。

下校時先輩達がクラブ活動勧誘の為ポーチに陣を構えていた。

熱心に勧める先輩に、根負けして中学時代入っていた卓球部を選んだ。

学校帰りの道で佐藤は、仕事をして学校で勉強の後クラブ活動が出来るか心配になって来た。

夕食は仕事が終了した時軽く、学校から帰ってから一人で食事をすることに成っていた。

冷たい食事でも腹一杯になるのが、佐藤にとって一番の幸せだった。

                    つづく