金の卵 連続ブログ小説 №14
金の卵 連続ブログ小説 №14
何日か過ぎた日、店の名刺裏にペン書きしてある番号にダイヤルした。
そして、今度の日曜日にドライブする約束をして電話を切った。
清三は始めてのドライブに気持ちがうきうきして仕事が手に着かない、又由美のことも考えると複雑な気持ちでいた。
日曜日の朝、待ち合わせた上野駅前、待っている間五年前集団就職列車で上京した事を思い出していた。
真っ赤なシボレーのセダンが目の前に止まったが、清三は気が付かず立っていた。
するとドアーのガラスが下がり女性が声を掛けてきた。
「佐藤君どうぞ乗って」と後部ドアーを指差した。
ハーレムのママである。左ハンドルなのでママの後ろの席に座った。
店で見るママと余りの変わり様に誰だかわからなかったが声で解った。
ママはこれから葉山の別に行くとアクセルを踏み込んだ。
後部座席に座りママの後ろ姿を見ている。
店ではロングヘアーなのに今日はショートカットなので店では鬘なのだと知る。
ママの後頭部を見ながら、時々バックミラーを見るとママの笑顔が見える。
都心を抜けると路肩の広いところに止まり清三に助手席に乗り換えるようにすすめる。
都心では顔が差さないようにカーテン付きの後部座席だが、郊外では気にせず助手席に 清三を座らせた。
「佐藤君このサングラスプレゼントするから掛けて見て」と渡された。
清三は初めて掛けるサングラスに戸惑ったが掛けて見る。
色はママと同じ色のブルー系だった。
「良く似合う映画俳優みたい」と声を出して笑っていた。
そんなママのサングラスを掛けた横顔は綺麗だった。襟足の肌は色白で素肌美人であった。
白いブラウスに紺のミニスカート色白の生足は清三の目には毒だった。
ママ麗子は生い立ちを語り始めた。
つづく