金の卵 連続ブログ小説 №36

金の卵 連続ブログ小説 №36

 

餅は一晩置いて固くなってから、焼いて食べると格別美味しい。

沢山餅を食べて満足したところで、今度は温泉に行くと言う。

温泉は歩いて十分程村営の銭湯である。

泉質は硫化水素泉で神経痛、リュウマチ、胃腸病等に効果があるという。

泉質は良いのだが湧泉量が少なく観光化出来ず地元民の憩いの場所となっている。

建物や管理費は村が管理していて、村民は交代で風呂掃除を担当していると言う。

知る人は知る秘湯であり、村外の人は十円払えば入浴出来ると言う。

入り口は道路より大分高い所にある。

積雪の時村民が除雪するが道路が高くなるので冬場はちょうど良いと言う。

湯殿は地元産の檜材を使った豪華な感じがした。

湯船も檜材、檜の香を全身で受けて生き返った気持ちとはこの事だと実感した。

湯は掛け流し、源泉四十五度噴出し口は熱いが湯船全体は、良い湯加減である。

由美は東京の銭湯でタイルに書かれた富士山を見ながらの入浴していた事を思い出した。

 帰り道山村の雄大な景色を見ながら家に帰った。

家に帰ると夕食の手打ちうどんの支度をしていた。

大きな木鉢に小麦粉と塩を入れ水で練っていく、練った小麦粉を麺台の上に乗せる、

小麦粉はまだばらばらの状態、手で丸め布巾を何枚も被せ体重を掛けて足で踏みつけて

いくと、小麦粉は塊となり粘り気を出していった。

その塊を麺台の上で麺棒を使って平らにしていく、見る見る内に大きな円状になった。

その円状になったうどんの生地を麺棒に巻きつけ、折りたたむように麺棒から戻していく、

そして、包丁で切っていく、切った麺の切り口に小麦粉を付けて打ち終わりである。

あとは、茹でて出来上がりである。

                    つづく