金の卵 連続ブログ小説 №46

金の卵 連続ブログ小説 №46

 

「いらっしゃいませ、どうぞこちらへ」

初めての体験に戸惑いながら、トルコ嬢の指示に従った。

 シャツのボタンまで外して衣服を脱がしてくれて、えもん掛に掛けてドアーの上にある釘に掛けた。

ドアー上部にある透明のガラス窓が見えなくなった。

個室から外が見えなくなったと言う事は外からの監視窓が役に立たない、それを、承知の行いとしか、思えなかった。

浴室に入ると木箱の中に入り首だけ出して入るスチーム風呂、これがトルコ風呂である。

暫らくすると、汗ばんできたのを見て、お背中流しますと、箱の扉を開けて、さあ、どうぞと洗い場を手の平で案内された。

バスローブを脱ぎこれ以上肌は隠せないと、言わんばかりの水着姿を清三はチラッと見たが、視線に困り俯いていた。

女性は背中を流し出して、「お客さん寒いの」と話しかけた。

「いいえ」と返事をするのが精一杯、個室に入った時から体の間接が震えて止まらないのにきづかれてしまった。特に足ががたがたどうしても止まらない。

「お客さん初めてでしょう、何でこんな処に来たのですか」

「ハイ、社会勉強だと、先輩に連れられて来ました」

 女性の水着姿はプールや海で見ていたが、こんな強烈な姿は始めてである、色白で肌の綺麗な全裸に近い姿は芸術的美観であった。

「お客さん、彼方の様な方はこんな処に来てはいけませんよ」と説教染みた言葉に戸惑いを感じた。

「お客さん、前を向いて」と言われて、女性と向かいあった。

豊満な胸も綺麗な肌で一層輝いて見え、こんな近くに有ると触れて見たい気持ちが起きるが、先輩の言葉を思い出した。

理性を失っては成らない、基本サービス以外は受けては成らないを守る事が出来た。

指の先から全身洗ってから浴槽に浸かり風呂からあがった。

肌触りの良いバスタオルで軽く叩くように全身を拭いてくれて、下着から衣服まで着せて

「若いていいね、元気で」とお尻を叩きながら「絶対こんな処へ二度と来ては駄目よ」と

ドアーを開け「有難うございました」と、清三を通路に出した。

女性は個室で待機しているらしく、出口までは送ってこなかった。

数日過ぎてから、店を訪ねて、ご指名はと聞かれ「小雪」と答える、すると、小雪は辞めましたの返事だったので、店には入らず帰って来た思い出があった。

                    つづく