金の卵 連続ブログ小説 №24

金の卵 連続ブログ小説 №24

 

目を覚ますと頭ががんがん痛く吐き気がする。

これが、二日酔いと言うものかと始めての経験でその苦しさを知った。

朝飯抜きで仕事も手に着かないが昼頃に成ると気分が良くなった。

貴君と橘の呼ぶ声がしたので返事して事務所に入った。

「今日は貴君の二十歳の誕生日一緒に昼御飯を食べよう」と気持ちが悪いほど優しい声で話し掛た。

貴は何時も貴、貴と自分の子供のように呼んでいたので君付けは戸惑った。

事務所隣の食堂用にテーブルが置いてあるその上に、食べた事の無いような上握り鮨が丸い大きな桶にたくさん入っていた。

橘と奥さんは貴君お誕生日おめでとう。たくさん食べてね、すてきな贈り物が有るから楽しみにしていてね。

貴は御夫婦の優しい言葉に胸が詰まり鮨が喉をとおり難かった。

そして、食事後の贈り物に貴は信じられない事実を知るのであった

「貴君これ誕生日の贈り物」と小さな紙袋を渡された。

                    つづく