金の卵 連続ブログ小説 №19
金の卵 連続ブログ小説 №19
「酔わない内に聞いて置いて欲しい」と清三に話し掛た。
清三は何事かと思って畏まって話を聞きだした。
「何故私が清三さんを葉山に誘ったのか正直に申します、聞いて下さい」と真剣な眼差しで清三に訴えた。
麗子は格安で楽しめるキャバレーを山手線全駅に店を作る計画を進めて居る所である。
すでに、上野をスタートに秋葉原、池袋と三店を創業している。
三店共経営者は元麗子の「つばめ」と言われた人達、独立採算制で良い成績を残している。
「つばめ」と呼ばれた人は麗子の信頼を得て資本金は全額麗子が出資している。
その条件の一つに信頼できるパートナーを探す事、即ち共稼ぎ出来る女性と結婚し店を経営することである。
新店を開店すると麗子と「つばめ」の関係は切れるのであるが、パートナーを大事にしないとそれは、恐ろしい罰があると言う。
勿論パートナーは麗子のお気に入りなので、女性の見方である。
もしその気があって水商売の世界に飛び込んで来たら面倒を見るという。
そして、恐ろしい罰とは女性を裏切った時に実行される事を忘れずについて来て欲しいと
麗子は真剣に清三に伝えた。
食事も終わり、アルコールも程よく回りすっかり良い気持ちなった二人は一眠りする事にした。
清三はソファーに横になり、麗子は寝室に入る時振り返って優しい声で、「もし私を信じて私の所に来る決心が付いたら寝室に来てね」と微笑んでドアーを静かに閉めた。
清三は麗子の仕草に見惚れ今まで経験した事のない気持ちに駆られ寝室のドアーを開けた。
暫らくして、二人が寝室から出てきた。
食事の後片付けをして、出前用の木箱に入れ勝手口に置き帰る事にした。
車窓から入る風は海の臭いと涼しさを身体で感じながら帰路に向かった。
麗子は「何処まで話したのかな、そうそう風呂に入ったとこまでね」
そして、身の上話の続きが始まった。
つづく