金の卵 連続ブログ小説 №15

金の卵 連続ブログ小説 №15

 

麗子は貧しい家庭の三姉妹の長女に生まれ、小学校の頃から近所のお店に手伝いに行き、病弱な両親の手助けし中学生当時は休みがちで働いていた。

中学を卒業すると年齢詐称し水商売にどっぷり漬かった。

麗子は背が高くスマートで美人顔、何処から見ても十六歳には見られなかった。

 麗子の仕事は店内の雑役でホステスとして接客の仕事に就くのには月日が掛かった。

ヘルプでシートに座れたのは十八歳に成ってからだった。

持ち前の愛嬌とスタイルでお客さんに好評で指名は有るが暫らくはママの方針でヘルプの儘で一人前のホステスになれる様見習いの毎日だった。

半年程過ぎるとホステスとして店に出ることになった。

控え室に張り出される指名数の棒線グラフがうなぎ登りに伴い、先輩達の棒線が下がって行く、女のいざこざを今まで見てきたが麗子は余り気にしなかった。

ホステスには指名の他に同伴があり、月に何回以上と最低数まで強制される。麗子は見習い期間が長かっただけに強い女に育っていた。

麗子の性格は気が強く、その反面女らしい優しさがあり、とにかく何事にも一直線だった。

性別を問わず好きな人には心底までつくしながら裏切られる事もしばしあった。

麗子の男性遍歴は有名だが、女性の武器は売らない、貢専門でやがて振られる恋ばかりでも切り替えが早く過去は過去と綺麗さっぱりとしていた。

そんな、麗子が立ち直れない恋の壁に行き詰まり自殺を決行したのである。酔ってブロバリンを多量に飲み街の薄暗い路地に倒れていた時、助けてくれた人との出会いが麗子の人生を大きく変えたのである。

その人は、9歳程年の離れた独身男性入院中も退院後もいろいろと面倒を見てくれた。

余りにも、親身になってくれる男性に心を引かれていく感じになり、これでは元の木阿弥と自分に言い聞かせながら深みに入って行った。

                   つづく